今月の臨床 流産
治療
30.持続腟内洗浄法の適応と効果
末原 則幸
1
Noriyuki suehara
1
1大阪府立母子保健総合医療センター産婦人科
pp.94-95
発行日 1993年1月10日
Published Date 1993/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901163
- 有料閲覧
- 文献概要
流産や早産の病因としての感染,細菌感染ことに羊膜絨毛膜炎はよく報告されている。妊娠末期では羊膜絨毛膜炎は破水と関連が強いのに対し,妊娠中期の早産では破水の有無にかかわらず羊膜絨毛膜炎が高頻度に認められている。むしろ前期破水の結果としての感染ではなく,その原因としての細菌感染が卵膜の脆弱化をきたし,その結果破水に至ると説明されている。また妊娠中期での子宮口開大,とくに胎胞突出例では,子宮頸管無力症とともに子宮内感染や羊膜絨毛膜炎,頸管炎を疑う必要がある。
妊娠中期の切迫流産,切迫早産例,とくに前期破水をきたし,直ちに出産に至った場合にはその妊娠週数からみて児の救命が絶望的な場合には,可能な限り妊娠の継続がその児にとって必須のこととなる。そのため妊娠中の腟内細菌の検索とその治療は,流早産の予防という観点から種々対策がなされている。
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.