原著
腟悪性腫瘍に対する腟標識法による上部腟切除の効果について
岸 恭也
1
,
乾 貞治
1
,
坂本 康紀
1
,
橋本 佳久
1
,
森 崇英
1
Yasuya Kishi
1
1徳島大学医学部産婦人科学教室
pp.451-455
発行日 1984年5月10日
Published Date 1984/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207004
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上部腟悪性腫瘍の手術における最大の問題点はコルポスコピーでは確認が極めて容易な病巣の下縁が,腹式手術中には判定し得ず,病巣遺残が起こりやすいことである。著者ら7,8)はかつて腟侵襲のある子宮頸癌の根治手術において遺残を防止するために標識を作製して,腟再発を減少させた。そこで今回は7例の原発性あるいは続発性腟腫瘍に対し,単純性または広汎性子宮摘出術あるいは除臓術と共に,または単独で,腟標識を用いる上部腟切除術を行い,それが非常に有効であったので報告する。
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