今月の臨床 流産
流産の病因
8.黄体機能と流産
中村 幸雄
1
,
安藤 索
1
,
吉村 泰典
1
Yukio Nakamura
1
1杏林大学医学部産科婦人科
pp.29-31
発行日 1993年1月10日
Published Date 1993/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901141
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近年,妊娠診断薬や測定技術の進歩によりこれまで気付かれなかったごく初期の流産の診断が可能となっている。また体外受精—胚移植(IVF-ET)が臨床的に多数行われるようになり,受精はするが着床せずに妊娠の成立をみないような症例の存在も明らかになってきている。
流産の原因はさまざまなものが考えられているが,黄体機能不全は妊娠初期流産の母体側主要因子のひとつと考えられている。また妊孕性を有しているにもかかわらず生児を得られない症例としてとらえられている不育症においても,その約35%が黄体機能不全によるという報告もみられる。
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