今月の臨床 流産
流産の動向
3.IVFと流産率
菅沼 信彦
1
,
福垣 洋行
1
Nobuhiko Suganuma
1
,
Hiroyuki Fukugaki
1
1名古屋大学医学部附属病院分院産婦人科
pp.16-17
発行日 1993年1月10日
Published Date 1993/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901136
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不妊症治療法として体外受精・胚移植(IVF—ET)の臨床応用が開始されて以来,すでに10年以上が経過し,多数の成功例が報告されている。わが国でも1983(昭和58)年より産婦人科臨床の場に適応され,現在では全国の156施設で行われている1)。1990(平成2)年における成績では,年間1,000例ほどの妊娠が得られ,ET当たりの妊娠率は20%以上であり,諸外国と匹敵する良好な結果であった。しかしながら,多くのIVT-ETによる妊娠例の中で,流産症例が高率にみられることが臨床上の大きな問題点となっている。本稿ではわれわれの施設におけるIVF-ETの臨床成績を中心に,その流産率,流産時期,および母体年齢などとの関連について概説する。
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