今月の臨床 帝王切開
帝王切開のリスク
36.縫合不全
矢追 良正
1
,
方 世錝
1
,
松永 啓伸
1
,
渡部 秀樹
1
,
蘇 娟楠
1
,
天野 和彦
1
Yoshimasa Yaoi
1
1獨協医科大学越谷病院産婦人科
pp.740-741
発行日 1992年6月10日
Published Date 1992/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900908
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縫合不全とは一般に,手術に際しての創部縫合不全を指すが,産婦人科では女性の特性として腹壁での脂肪融解による縫合不全はしばしば美容上の事柄として女性に不快感を与える。時に腹壁全層にわたる縫合不全を起こすと,腹壁哆開の状態となり,腸管などの内臓が体外に排出されて,生命を脅かす危険を招くこともある。また帝王切開時の子宮壁の縫合不全は出血や感染の原因となり,その後の妊娠分娩にも障害をもたらし,次回分娩時の子宮破裂を来すことにもなる。産婦人科における縫合不全は外科一般における縫合不全と共通する部分と,産科婦人科特有の部分とが存在するので,産科婦人科の観点から述べる。
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