Ⅰ.主訴からみた診断の進め方
17 眼の掻痒感
福田 憲
1
,
熊谷 直樹
2
1高知大学医学部眼科学講座
2くまがい眼科(宇部市)
pp.1066-1070
発行日 2018年9月30日
Published Date 2018/9/30
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000828
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掻痒感(ocular itching, ocular pruritus)とは引っ掻いたり擦ったりしたくなるような不快な感覚を指す。掻痒感を主訴として眼科を受診する患者は年齢・性別を問わずに多くみられる。掻痒感はアレルギー性結膜疾患(アレルギー性結膜炎,アトピー性角結膜炎,春季カタル,巨大乳頭性結膜炎)に最も特徴的な自覚症状だが,ドライアイ,感染性および非感染性の眼瞼皮膚炎,マイボーム腺炎でもしばしばみられる1)。その他の異物感を生じ得る前眼部・外眼部疾患,たとえば睫毛乱生症,結膜異物,結膜結石,感染性結膜炎などでも,ときに掻痒感を主訴として医療機関を受診することがある。また,緑内障・高眼圧症治療薬に伴う薬剤アレルギーによる眼瞼結膜炎でも掻痒感を訴えることが多い。
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