連載 楽しく性を語ろう―性の健康学・3
性器
中村 美亜
pp.1032-1033
発行日 2007年12月15日
Published Date 2007/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101218
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今回から各論に入っていく.まずは性器について.どこに何があるか正確に知らなければ,学生は以後の話が理解できなくなる.しかし,性器の構造や名称を覚えるのもさることながら,ここで私が強調したいのは,性器の形状や刺激に対する感受性は人によって異なること,したがって,自分で実際に確認したり,相手がいる場合には,コミュニケーションを取りながら,その人の気持ちや身体反応を把握することが重要であるのを体得してもらうことだ.
今回はいきなりワークから始めた.「はい,今日は性器について勉強します.皆さん,ノートに女性器と男性器を描いてください.デッサン風でも,漫画でも,抽象画でも,何でも構いません.他の人に見せる必要はありませんから,自分のためにだけ書いてください」と言うと,学生たちはびっくりしてざわつき始める.ちょっと間をおいて「性を勉強するのに,性器がどうなっているのかわからないままでは話にならないですよね.それに,セックスだってできませんよね…」と大真面目に説明を加える.こちらが真剣に言うと,何人かの学生は描き始める.それでも何人かは,そんなことできるか,という顔をしている.「書きたくない人は,頭の中でどんなふうになっているかと思い浮かべるだけでも構いません」と言いながら,黒板に「尿道口,肛門,腟口,クリトリス,精巣」と書き,「少なくとも,これらがどこにあるか考えてください.他の場所の名前も知っていたら書き込んでください」と言った.
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