今月の臨床 高年婦人科—更年期から老年期へ
加齢による変化
5.内分泌環境
小山 嵩夫
1
Takao Koyama
1
1東京医科歯科大学医学部産婦人科
pp.912-913
発行日 1992年8月10日
Published Date 1992/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900955
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更年期から老年期にかけての,内分泌学的な大きな出来事には閉経がある。それとともに卵巣からのエストロゲン分泌が急速に低下し,数年以内に,ほぼ停止に近い状態に至ることはよく知られている。エストロゲンの分泌の急速な低下は生殖機能の停止を意味しているが,個体としてのその後の寿命は30年以上あり,卵巣を除いては,緩やかに老年期に入っていくもののほうが多い。しかし,女性にとっては,エストロゲン分泌の急速な低下の全身に与える影響は大きく,老年期において,少量といえども分泌を維持することは,重要である。ここでは,閉経を境として,視床下部—下垂体—性腺系を中心としての内分泌学的な変化について,臓器別,各種血中ホルモン値を中心として述べ,その臨床的な意義についても触れたい1)。
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