今月の臨床 月経とその異常
月経異常—その鑑別と治療
35.月経異常と漢方療法
小山 嵩夫
1
Takao Koyama
1
1東京医科歯科大学医学部産婦人科
pp.478-479
発行日 1991年4月10日
Published Date 1991/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900395
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産婦人科領域における急速な漢方医療の普及とともに,月経異常に対しても,漢方治療は広く行われている。月経異常には,その基礎的疾患として,卵巣機能不全,子宮筋腫,子宮頸癌,体癌,子宮内膜症などの各種の疾患を含んでおり,まず原因を検索し,漢方治療の適応の有無について検討を加えることが肝要である。
その方針については,表1に示したが,月経異常が認められ,かつ漢方治療の適応があると考えられる卵巣機能不全,早発閉経,月経前症候群,月経困難症についても漢方医学的な対応の方法を述べたい。表1にも示したように,西洋医学的対応の方が好ましい場合もあり,常に病状の把握とともに,最善の方法を採用する心掛けが大切といえる。
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