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セミナー テストステロンを再考する・1【新連載】
内分泌環境の中でのテストステロンの位置づけ
The siginificance of testosterone in endocrine system
柳瀬 敏彦
1
,
明比 祐子
1
Toshihiko Yanase
1
,
Yuko Akehi
1
1福岡大学医学部内分泌糖尿病内科
キーワード:
GH-IGF-1系
,
DHEA
,
テストステロン
,
エストロゲン
Keyword:
GH-IGF-1系
,
DHEA
,
テストステロン
,
エストロゲン
pp.309-314
発行日 2012年4月20日
Published Date 2012/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102782
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要約 加齢で低下変動するGH-IGF-1系,DHEA,テストステロンは,単独の効果以外に相互の機能的連関があると考えられる。一例として,上記ホルモンはいずれも骨量増加に作用するが,テストステロンは血中IGF-1濃度を増加させるのみならず,骨組織の局所的なIGF-1濃度の上昇に関与しているので,これらが相乗的に骨量増加に作用すると考えられる。一方,IGF-1によるアンドロゲン受容体の活性化機構も想定される。DHEAは性ステロイドの前駆体ステロイドであり,DHEA自身の直接効果以外に,テストステロン,エストロゲンへの転換を介した作用も,その作用機序に含まれる。またテストステロンは組織アロマターゼ活性により,一部,エストロゲンへの転換を介した作用を有すると考えられる。それぞれのホルモンや転換体の生理作用への寄与度については必ずしも明確ではない。老化に伴う病態や症状の形成,あるいは補充療法におけるそれらの改善には,これらのホルモンの複合的かつ機能的連関が深く関与していると考えられる。
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