今月の臨床 卵巣がん—疫学から治療まで
化学・放射線療法
32.化療副作用対策の新しい展望
波多江 正紀
1
Masayuki Hatae
1
1鹿児島市立病院産婦人科
pp.868-870
発行日 1992年7月10日
Published Date 1992/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900944
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シスプラチン(CDDP)が婦人科癌化学療法の中心的薬剤としての地位を獲得して以来,副作用の対策は,以前とは一変してきている。更にアナログを含む新薬の開発は,複数の抗腫瘍剤,特にアナログ併用による副作用の分散を促し,高用量化の臨床的有用性が検討されつつある。一方,副作用防止のための新しい薬剤の導入および応用でも,より合理的な投与スケジュールを引き出す可能性がでてきている。
婦人科癌の中で最も治療法の改革と成績向上が期待されている卵巣癌の化学療法を中心に,CAP療法,CP療法,JP療法(CBDCA,CDDP)と変遷してきた当科の事情をふまえて,おもなる副作用対策の実際を述べる。
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