今月の主題 癌治療の最前線
化学療法
副作用とその対策
武正 勇造
1
1国立病院医療センター内科
pp.1111-1113
発行日 1977年8月10日
Published Date 1977/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207310
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はじめに
抗癌剤が近年多数開発され,臨床的に用いられるに伴って,癌化学療法の効果も白血病・悪性リンパ腫のみならず,固形腫瘍においてもとみに進歩をきたした一方,その副作用も多岐にわたってみられるようになった.抗癌剤が癌細胞のみに選択的,特異的に作用するものでないため,とくに増殖の盛んな造血組織,生殖腺,消化管粘膜,皮膚などに対しても著明な障害がみられている.
副作用のうち抗癌剤の投与によって直ちに現れるものは発熱,発疹,悪心などがあり,一方,ある一定量投与することによって現れる造血臓器の障害,皮膚,肺,肝,腎,神経などの障害がある.
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