今月の臨床 卵巣がん—疫学から治療まで
術中・術後診断
17.術中細胞診
北條 智
1
,
吉川 裕之
1
Satoshi Hojo
1
,
Hiroyuki Yoshikawa
1
1東京大学医学部附属病院産科婦人科
pp.821-824
発行日 1992年7月10日
Published Date 1992/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900929
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卵巣癌では,積極的な手術療法と強力な化学療法により近年めざましい治療成績の向上をみている。卵巣癌の臨床進行期の決定は,主として手術時の開腹所見によってなされ,その進行期に応じて術後の治療方針が決まる。特に腹腔内の腫瘍の広がりを確認することは後腹膜リンパ節への進展を検索することと並んで重要である。そして腹腔内進展の把握は,第一に視診,触診などのマクロレベルでの探索と,第二に術中の細胞診によるミクロレベルでの探索から成り立っている。本稿では術中の細胞診の意義と方法について述べることとする。
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