今月の臨床 卵巣がん—疫学から治療まで
術中・術後診断
16.開腹所見のみかた
池田 正典
1
Masanori Ikeda
1
1近畿大学医学部産婦人科
pp.818-820
発行日 1992年7月10日
Published Date 1992/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900928
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卵巣がんによる死亡数はアメリカでは女性性器がんによる死亡数の第1位である。わが国においても年々増加の傾向にあり,女性性器がんのうちでは子宮頸癌による死亡数についで第2位となっている。とりわけ罹患数に比し,その死亡率が高いことが注目される。その原因としては,一般に卵巣がんは早期には無症状であることが多く,またその早期診断法もいまだ確立したものがなく,多くが進行した症例であることなどが考えられる。
現在の卵巣がんの治療としては,手術療法,化学療法,放射線療法などを含めた集学的治療が一般的であるが,特に手術療法は治療としてばかりではなく,予後と密接な関係にある臨床進行期の決定,さらには術後の化学療法,放射線療法など治療方針の決定にきわめて重要である。
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