今月の臨床 帝王切開
合併症妊娠と帝王切開
19.子宮奇形
山中 恵
1
Satoshi Yamanaka
1
1高知医科大学産科婦人科学教室
pp.694-695
発行日 1992年6月10日
Published Date 1992/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900891
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ミューラー管の発達,癒合不全で生じる子宮奇形の種類には大別して単角子宮,重複子宮,双角単頸子宮および中隔子宮などがある(図1)。こうした子宮奇形の婦人においても,なんら合併症も無く,自然妊娠,分娩に至るものも多く,そのような症例の大半は診断されないままの経過をとっていると考えられる。従って子宮奇形の正確な妊娠率,不妊率の頻度は明らかでない。
子宮奇形の診断は,重複子宮のように腟鏡診と内診で分かるものもあるが,ほとんどの場合には不妊外来で挙児希望のもとに受ける子宮卵管造影法の結果から診断される。すなわち,あらかじめ子宮奇形と診断されている婦人では,その多くは不妊症や習慣性流産の既往があり,原因究明の検査として子宮卵管造影を受けているものであり,従ってその妊娠の多くは一般に言うvariable childである。
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