今月の臨床 これを読めばすべてわかる―最新の産婦人科超音波診断
II 婦人科領域における超音波診断
[子宮疾患の超音波診断]
1.子宮奇形
赤松 信雄
1
1姫路赤十字病院
pp.400-402
発行日 2010年4月10日
Published Date 2010/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102313
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子宮には種々の奇形があり,0.1~1%の頻度であるといわれている.それらの多くは,(1)子宮筋腫などの内性器腫瘍との鑑別が必要である.また,(2)不妊症や不育症の原因となるために妊娠が可能か,妊娠の継続が可能かとの観点からの非妊時や妊娠初期の評価が必要である.さらに,(3)異所性妊娠の局在となることもあり,それらと子宮内妊娠との鑑別診断上も重要である.
種々の子宮奇形を図1に示す1).重複子宮,双角双頸子宮,双角単頸子宮,完全中隔子宮,不全中隔子宮は(1),(2),痕跡副角を伴う単角単頸子宮は,(1),(2),(3),単角単頸子宮は(2)を評価することが,子宮奇形の種類を評価することとともに肝要である.これら以外にも弓状子宮,子宮発育不全ないしは欠損などが知られている.
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