今月の臨床 帝王切開
帝王切開に踏みきるとき
11.胎児水腫
岡井 崇
1
Takashi Okai
1
1東京大学医学部産婦人科
pp.670-672
発行日 1992年6月10日
Published Date 1992/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900883
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胎児水腫は,胎児に発症した全身性の浮腫と定義され,それに加えて胎児の体腔の一部もしくはすべてに液体貯留の認められることが多い。現在,もっとも治療が困難な予後の悪い疾患の一つであるが,近年の周産期医療の進歩により,その予後は少しずつ改善されている。
胎児水腫は,種々な原因によって発症し,その原因・病因により予後も取り扱いも異なる。したがって,本稿では原因別に,胎児水腫における“帝切にふみ切るとき”を考えて見たい。なお,胎児水腫では,二次的なものも含めて,循環不全や末梢組織での酸素不足が存在するケースが多いので,児の救命を望み得る症例では経腟分娩ではなく帝切を施行する方が良いと考えられる。
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