今月の臨床 胎児治療—どこまで可能か
疾患と治療
12.胎児水腫
前田 博敬
1
,
永田 秀昭
2
,
中野 仁雄
2
Hirotaka Maeda
1
,
Hideaki Nagata
2
,
Hitoo Nakano
2
1九州大学医学部附属病院周産母子センター
2九州大学医学部附属病院産科婦人科学教室
pp.300-304
発行日 1992年3月10日
Published Date 1992/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900774
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胎児水腫とは,原因のいかんを問わず,胎児に腔水症と全身性浮腫を伴う一つの疾患群である。本症は,Rh式を代表とした血液型不適合妊娠による免疫性胎児水腫とその他の原因による非免疫性胎児水腫(NIHF:Non-immune hydrops fetalis)に大別される。わが国では,Rh陰性妊婦の頻度が0.5%と低いこと,また,抗Dヒト免疫グロブリンによる感作予防法が確立したことによって,今日,遭遇する胎児水腫の多くはNIHFである。
免疫性胎児水腫については別稿に委ね,本稿では,自験例に加え,現在まで行われてきたNIHFの子宮内治療について概説する。
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