今月の臨床 胎児疾患の管理─胎内治療の時代を迎えて
胎内治療の適応と実際
胎児水腫・腔水症
佐藤 昌司
1
1九州大学病院周産母子センター
pp.1213-1219
発行日 2005年9月10日
Published Date 2005/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100387
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はじめに
胎児水腫は,胎児の皮下浮腫,胸・腹水ならびに心嚢液貯留を主徴とする症候群の総称であり,母児間血液型不適合妊娠に起因する免疫性胎児水腫(immunologic hydrops fetalis : IHF)と,それ以外の原因による非免疫性胎児水腫(non─immunologic hydrops fetalis : NIHF)に大別される.胎児水腫と腔水症はしばしば混同される名称であるが,Potterの定義1)に従えば前者は皮下浮腫に腔水症を伴う状態であり,一方,後者は体腔への水分貯留をきたした状態に対する症候名として区別される.
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