今月の臨床 胎児治療—どこまで可能か
胎児治療とは
1.現況
中野 仁雄
1
Hitoo Nakano
1
1九州大学医学部婦人科学産科学教室
pp.265
発行日 1992年3月10日
Published Date 1992/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900763
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近年,種々のハイテックが登場し,その恩恵を受けて医療にも大小の変貌が生じている。胎児治療はまさにそのひとつであり,明日を窺うものとして新たな問題を提起している。問題の解決に向けて真剣な努力が求められているのである。この状況にあって,なにより大切なことは視点の設定とそこに立つ洞察であり,医療の,そして拠って立つ医学の体系化をどのようにイメージするかにある。
本書の企画はこのような趣旨を反映している。すなわち,胎児の疾患を特定し,個別の治療を試行し,治療効果を評価し,予後を推測するといったひとつひとつの段階で今日の状況をまとめる努力が試みられている。胎児治療が体系化の暁には,本書の各項目をコアとした補完の道程をみることができるというわけである。
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