特集 今日の子宮内膜症
Topics
チョコレート嚢胞に対する薬物注入療法
万歳 稔
1
Minoru Manzai
1
1名古屋市立大学医学部産科婦人科学教室
pp.877-880
発行日 1990年10月10日
Published Date 1990/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900170
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子宮内膜症に対してはさまざまな治療法が試みられてきたが,最近ダナゾール,GnRHアナログ,ゲストリノンなどが使用可能になり,以前に比べると効果的な治療を行えるようになってきた。しかし薬物療法のみでは臓器間の癒着あるいはチョコレート嚢胞に対する治療効果には依然限界がある。さらに子宮内膜症患者数も増加してきているが,その理由のひとつに不妊症の検査として腹腔鏡が盛んに行われるようになったことがあげられる。
子宮内膜症と不妊症との関連についても最近注目されてきており,免疫的因子の関与からの研究もさかんに行われている。またチョコレート嚢胞を合併している不妊症例は妊娠率が低いことも報告されている1)。
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