今月の臨床 計画妊娠—合併疾患への対応
腎疾患
6.透析患者
東間 紘
1
Hiroshi Toma
1
1東京女子医科大学泌尿器科
pp.1248-1250
発行日 1991年11月10日
Published Date 1991/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900604
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1960年代にはじまった慢性腎不全患者に対する透析療法の進歩,発展には目をみはるものがある。1990年末におけるわが国の透析患者数は10万人を越え,その生存率も1年83.3%,3年69.8%と高く,10年以上の透析患者数も1万3,700人を数えている。これら透析患者のQuality of Life(QOL)も向上し,社会復帰率(就業率)も上昇してきている。1971年,Confortiniらによる最初の報告1)以来,透析患者の妊娠および出産の報告が増えてきているが,これなどは透析患者の健康状態,社会復帰の状態を最もよく示すものの1つであろう。わが国においても1977年以降,少しづつ出産症例が増えており,世界一の透析大国として今後ますます多くの患者がこれらの Consulta—tionのため産科婦人科医の門を叩くことは必定である。
したがって,ここでは透析患者の妊娠・出産の現況をお知らせし,その妊娠および出産に当たって注意すべきいくつかの点について簡単にふれておきたいと考える。
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