今月の臨床 計画妊娠—合併疾患への対応
腎疾患
5.慢性腎炎
山本 茂生
1
,
上田 尚彦
1
,
折田 義正
2
Shigeo Yamamoto
1
,
Naohiko Ueda
1
,
Yoshimasa Orita
2
1大阪大学医学部第一内科
2大阪大学医療技術短期大学部
pp.1245-1247
発行日 1991年11月10日
Published Date 1991/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900603
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腎炎患者では妊娠合併症,分娩異常,分娩後の進行性の腎機能低下をきたす頻度が高いことが諸家により報告されている(表1)。このため,ややもすると厳しい指導が行われることがあるが,妊娠前の腎機能・血圧・尿蛋白量の評価や腎生検組織像の検討により,正常な妊娠分娩が期待できる症例とリスクの高い症例を判別できるようになっている。このため,内科・産婦人科医は,個々の妊婦のリスクを正しく評価し,適切に対応する必要がある。
近年,厚生省特定疾患進行性腎障害調査研究班により,慢性腎炎患者の妊娠分娩に関する指導指針が改訂された(表2)。この改訂案は,臨床症候群別に表示され一般臨床医にも使いやすいように作成されており,今後の適切な妊娠指導の参考となると考えられる。
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