特集 前立腺疾患のすべて
Ⅴ 前立腺疾患のトピックス
前立腺肥大症に対するエタノール注入療法―経尿道的および経会陰的方法
合谷 信行
1
,
東間 紘
1
Nobuyuki Goya
1
,
Hiroshi Toma
1
1東京女子医科大学泌尿器科
pp.342-347
発行日 2003年4月5日
Published Date 2003/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100880
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1 低侵襲治療としての無水エタノール注入療法
前立腺肥大症(BPH)の治療においては,薬物療法と根治療法の間を埋める中間的治療としていくつかの低侵襲治療が登場した。BPHに対する低侵襲手術の条件としては,1)麻酔が低侵襲である,2)術中術後合併症が少ない,3)性機能が保持できる,4)入院期間が少ない,5)成績が良好である,が挙げられる。すなわち日帰り手術が可能で,合併症がなく成績が良い方法が求められる。われわれは,BPHに対する新しい低侵襲手術として無水エタノール(dehydrated ethanol,absolute ethanol)を前立腺に直接注入する治療を行っている(前立腺エタノール注入療法ethanol injection therapy of the prostate;EIP)。前立腺へのエタノール注入は,主として経尿道的に施行しているが,経会陰的方法でも行っている。ここではそれぞれの方法について,われわれの経験を中心に解説する。
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