境界領域の再評価とその展開 特集
産婦人科と泌尿器
婦人科手術時の泌尿器系偶発事故と対応—泌尿器科の立場から
東間 紘
1
,
合谷 信行
1
Hiroshi Toma
1
1東京女子医科大学泌尿器科教室
pp.587-592
発行日 1987年9月10日
Published Date 1987/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207650
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骨盤内手術時の尿路損傷は,婦人科医,外科医および泌尿器科医が直面する重要な問題の一つである。解剖学的に尿路が後腹膜腔にあり,卵巣や子宮などの婦人科的臓器および直腸などと極めて近接して走行していることに起因するが,その頻度は種々の報告を総合してみると,全ての骨盤内手術のおよそ0.5〜1.0%1)と考えられる。なかでも私共泌尿器科医が遭遇する機会が多いのは婦人科手術によるもので,とくに広汎性子宮全摘術の場合その10〜30%2)にみられるといわれている。
私共も1979年12月から1987年5月までの7年6カ月間に18例の婦人科手術による泌尿器科的合併症を経験したので,これらを中心に婦人科手術時の泌尿器科偶発症について述べることにする。
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