症例
卵巣腫瘍と鑑別困難であった後腹膜神経鞘腫の2症例
市川 喜仁
1
,
清水 敬生
1
,
手島 英雄
1
,
荷見 勝彦
1
,
増淵 一正
1
Yoshihito Ichikawa
1
1癌研究会附属病院婦人科
pp.997-1001
発行日 1991年8月10日
Published Date 1991/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900533
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卵巣腫瘍との鑑別が困難であった後腹膜原発神経鞘腫を2例経験したので報告する。症例1は76歳,腹部膨満と腹部腫瘤を主訴に来院。右卵巣腫瘍の術前診断にて開腹したところ,120×100×150mm大の後腹膜原発腫瘍であった。病理組織学的には,Antoni A型とB型の混在する神経鞘腫で,腫瘍内出血と嚢胞変性が見られた。症例2は50歳,腹部腫瘤を主訴に来院。卵巣腫瘍の術前診断にて開腹したところ,130×130×60mm大の後腹膜原発腫瘍であった。病理組織学的には,cellularityが高く腫瘍細胞の核もやや大きめだが,mitosisは殆ど見られず被膜も完全で,Antoni A型優位の神経鞘腫と診断した。
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