原著
子宮頸癌関連病変におけるHPV 16型,18型後期遺伝子発現の臨床的意義
永井 宣隆
1
,
藤本 英夫
1
,
谷本 博利
1
,
木岡 寛雅
2
Nobutaka Nagai
1
,
Hiromasa Kioka
2
1広島大学医学部産科婦人科学教室
2国立呉病院産婦人科
pp.733-737
発行日 1991年6月10日
Published Date 1991/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900465
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子宮頸癌と関連深いHPV 16型,18型の後期遺伝子L1/L2発現の有無を予宮頸部異形成症例を対象にbiotin標識HPV L1/L2 RNA probe(antisense,sense)によるin situ hybridization法より検討した。その結果,16型または18型DNA陽性例でL1/L2 mRNA陽性例は,L1/L2 mRNAがkoilocyte,異型細胞の細胞質と核に検出された。また,平均15ヵ月間の追跡調査よりHPV high risk群でもLl/L2 mRNAの検出された症例は異形成病変の消失もしくは存続例が多かった。以上より,HPV 16型,18型後期遺伝子発現の検討は臨床的に子宮頸部異形成の経過判定に重要な所見の一つと思えた。
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