今月の臨床 月経とその異常
月経異常と全身疾患
11.全身疾患が月経に及ぼす影響—腎障害、肝障害、内分泌疾患
平野 睦男
1
Mutsuo Hirano
1
1東北大学医学部附属病院分娩部
pp.414-416
発行日 1991年4月10日
Published Date 1991/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900371
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月経異常は主として性腺系の内分泌異常,すなわち視床下部—下垂体前葉—卵巣系の機能的ならびに器質的異常によって惹起されるが,一部には性腺系の内分泌異常以外の他の疾患に随伴しても発症することが知られている(表1)1)。この中,甲状腺疾患や副腎皮質疾患のごとき内分泌疾患,および糖尿病や肥満などの代謝性疾患と月経異常との相関については,比較的多くの研究成績が報告されてはいるが,腎疾患や肝疾患などの全身疾患がどの程度月経異常の原因となっているか,またどのような機序で月経異常となるのか,などについて現在でもなお解明されてはいない。
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