今月の臨床 Preterm PROM—34週までの問題点
PROMと新生児異常
21.分娩時のSeptic Work Up
井上 孝夫
1
Takao Inoue
1
1千葉市立海浜病院新生児科
pp.193-196
発行日 1991年2月10日
Published Date 1991/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900310
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破水と新生児感染症
35週未満の前期破水の中には何らかの感染が破水の原因となったと推定される例があるし,長期にわたる破水後遷延は上行感染の原因となる場合がある。従ってどちらも胎児・新生児における感染症の危険因子の一つとなる。
新生児医療に携わる立場から見ると,妊娠35週未満において破水した例の中で陣痛抑制剤や広域抗生剤を母体に投与する保存的治療により妊娠継続を試みたものの,①結果的には抑制できず分娩が進行し24〜48時間以内の早期に生まれてしまった未熟児,②胎児心拍の異常や母体の感染徴候(白血球増多,CRP上昇,発熱,子宮の圧迫痛など)が出現し積極的な娩出に変更せざるをえなくて生まれた新生児,のなかにはしばしば重篤な感染症合併例が含まれていることを経験する。
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