今月の臨床 不育症—その対策のすべて
原疾患との関わり
6.自己免疫疾患と不育症
高桑 好一
1
,
田中 憲一
1
Koichi Takakuwa
1
,
Kenichi Tanaka
1
1新潟大学医学部産科婦人科学教室
pp.27-29
発行日 1991年1月10日
Published Date 1991/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900259
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近年,生殖免疫学の領域において,不育症と免疫的機序との関連性が注目され,病態の解明,新しい治療法の臨床応用が行われている。自己免疫疾患と不育症との関連性もそのような研究の方面から注目されつつあるものである。
従来よりSLEなどの自己免疫疾患において流・死産の割合が高いことが報告されているが,自己免疫疾患患者の全例に流・死産が発症するものではないことも事実である。これに対し近年不育症患者の中で,自己免疫疾患の診断基準は満たさないものの抗核抗体などの自己抗体が高率に認められることが明らかとなっている。本稿の表題は「自己免疫疾患と不育症」であるが,広く不育症発症と自己免疫的機序について概説することとする。
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