症例
出生前に診断された先天性小腸閉鎖症の1例
藤下 晃
1
,
中橋 隆次郎
1
,
内山 章
1
,
宮川 淳
1
,
永末 俊郎
2
,
山下 浩
2
,
木田 晴海
3
,
三根 義和
3
,
福井 滋
4
Akira Fujishita
1
,
Toshiro Nagasue
2
,
Harumi Kida
3
,
Shigeru Fukui
4
1国立嬉野病院,産婦人科
2国立嬉野病院,小児科
3国立嬉野病院,外科
4国立嬉野病院,麻酔科
pp.453-458
発行日 1990年5月10日
Published Date 1990/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900107
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先天性腸閉鎖症・狭窄症は新生児外科疾患のうち10〜20%を占め,直腸肛門奇形とともに最も多くみられる疾患であり,腸閉鎖症の頻度は出生5,000〜10,000に1程度とされる。このうち十二指腸閉鎖症が約半数を占め,空腸,回腸閉鎖症が1/3程度といわれている。先天性十二指腸閉鎖症の出生前診断の報告は多いが,空腸,回腸閉鎖症の出生前報告もみられるようになってきた。今回私どもは,妊娠42週に施行した超音波断層法で,著明に拡張した腸管像を呈した胎児症例を経験した。出生前には空腸以下のレベルでの消化管閉鎖を疑ったが,生後第1日に行われた開腹手術では,胎便性腹膜炎を伴った先天性小腸閉鎖症であった。
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