増刊号 産婦人科医のための緊急対応サバイバルブック
Ⅱ. 婦人科編
❸術後合併症への対応法
消化管穿孔
植田 彰彦
1
1京都大学大学院医学研究科婦人科学産科学
キーワード:
細菌性腹膜炎
,
腹部造影CT
,
急性期DIC診断
Keyword:
細菌性腹膜炎
,
腹部造影CT
,
急性期DIC診断
pp.121-125
発行日 2024年4月20日
Published Date 2024/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409211211
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過去に手術既往があり腹腔内に癒着を認めた悪性婦人科腫瘍に対して開腹手術を実施したのち,術後経過中に腹膜刺激症状を伴う突然の強い腹痛を認めた症例.38℃の発熱,頻脈,呼吸数増加を認め,輸液管理と広域抗菌薬投与を開始.凝固系異常は認めなかった.腹部造影CT検査を行ったところ,結腸領域に腹水,腸管壁の肥厚を認め,腹膜炎,消化管穿孔と診断した.消化管外科および麻酔科コンサルトのうえで,速やかに外科的治療を実施.腹腔内の腹腔内洗浄ドレナージと穿孔部の腸管部分切除および人工肛門造設を行った.術後はバイタルサインが安定し炎症反応低下を認めたため,抗菌薬加療を4日間実施後終了した.人工肛門造設部は術後十分に期間を空け二期的に人工肛門閉鎖手術を実施した.
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