増刊号 産婦人科医のための緊急対応サバイバルブック
Ⅱ. 婦人科編
❶症状・所見からみた疾患鑑別と病態把握《救急外来》
急性腹症の患者が産婦人科にコンサルトされてきた!
深澤 宏子
1
1山梨大学医学部産婦人科
キーワード:
急性腹症
,
腹腔内出血
Keyword:
急性腹症
,
腹腔内出血
pp.62-66
発行日 2024年4月20日
Published Date 2024/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409211197
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26歳の女性,未産婦.急な腹痛にて目が覚めた.しばらく様子をみていたが,症状が軽快せず救急受診した.意識レベルはクリア.痛みが強く,腹部全体に及び,前屈みでお腹を押さえながら歩いている.嘔気も少しあるが,便秘や下痢はしていない.これまで同じような腹痛のエピソードはない.月経周期は整,最終月経初日は約2週間前とのこと.救急外来医師の施行した経腹エコーでは,子宮の後方は不鮮明.モリソン窩にエコーフリースペースは認めない.下腹部に圧痛があることから婦人科疾患を疑われ,産婦人科に紹介となった.
来院時バイタルサイン : 血圧110/65mmHg,心拍数90回/分,体温37.0℃,SpO2 100%(room air),呼吸数15回/分,尿検査は尿が出ないため施行できていない.
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