今月の臨床 胎児心臓を診る―この超音波所見を見逃すな!
位置異常・軸異常から診断できる先天性心疾患
ファロー四徴症
瀧聞 浄宏
1
1長野県立こども病院循環器小児科
pp.1059-1067
発行日 2023年11月10日
Published Date 2023/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409211086
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●ファロー四徴症は,①心室中隔欠損,②右室流出路狭窄,③大動脈騎乗,④右室肥大の形態的特徴をもつ心疾患で,右室流出路狭窄の程度や肺動脈形態などにより,重症度はさまざま.特殊型として,肺動脈弁欠損を合併し,末梢肺動脈の著明な拡張に伴う気管〜気管支狭窄をもたらすことがあり,予後を大きく左右する.
●胎児スクリーニングにおいて,四腔断面像のみを見るだけでは見落とされることが多いが,心臓軸が左方偏位していることを検出することがスクリーニングの鍵となる.
●五腔像を描出して,大動脈弁直下に認める大きな心室中隔欠損,拡大した大動脈の心室中隔への騎乗,流出路断面からthree vessel trachea viewで,細い右室流出路から肺動脈を観察する.
●動脈管の血流方向,動脈管および肺動脈形態の詳細診断が治療判断の一助となる.
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