今月の臨床 産科救急―意識障害と危機的出血の初期対応
産科危機的出血への対応
外科的治療―子宮圧迫縫合法,子宮摘出
石黒 彩
1
,
桑田 知之
1
1自治医科大学附属さいたま医療センター産婦人科
pp.495-501
発行日 2023年5月10日
Published Date 2023/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210985
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●産科危機的出血に対し外科的治療が必要になるケースとして,弛緩出血,常位胎盤早期剝離,前置胎盤,癒着胎盤,子宮破裂,子宮内反症,羊水塞栓などが挙げられる.
●子宮温存を目的とした外科的処置には,B-Lynch縫合,Hayman縫合,M-Y縫合,double vertical compression sutureなどの子宮圧迫縫合があり,子宮摘出術には腟上部切断術とcesarean hysterectomyがある.
●産科危機的出血を予測して計画的に外科的治療を行うこともあるが,多くは予測困難であり緊急の対応となる.普段から各医療機関に即した方法をシミュレーションしておくことが重要である.
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