症例
卵管に発生した子宮内膜症病変から多量の腹腔内出血をきたした1例
藤尾 加代子
1
,
福田 久信
1
,
重松 祐輔
1
,
増﨑 雅子
1
,
入江 準二
2
,
小寺 宏平
1
1長崎みなとメディカルセンター産科・婦人科
2長崎みなとメディカルセンター病理診断科
pp.704-707
発行日 2022年7月10日
Published Date 2022/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210747
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▶要旨
卵管実質内の子宮内膜症性病変の破裂によって多量の腹腔内出血をきたした症例を経験したので報告する.患者は24歳の未妊婦で,突然の強度の腹痛を主訴に救急搬送された.腹部CT検査で多量の腹腔内出血と右付属器領域の血腫を認めたため,卵巣出血を疑い緊急開腹術を施行した.右卵管に破裂部を認め,その部位からの強出血を認めたため右卵管切除術を施行した.病理検査結果で,右卵管の破裂は卵管実質内の子宮内膜症性病変が出血し破裂したものと診断した.子宮内膜症が増加している昨今,今回のような臓器実質内の子宮内膜症病変の破裂による腹腔内出血も増加する可能性がある.
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