原著
ロボット支援下広汎子宮全摘術が執刀医に与えるストレス・疲労の検討―開腹手術・腹腔鏡手術との比較
馬淵 誠士
1,2
,
志村 宏太郎
1
,
松本 有里
1,3
,
梅本 雅彦
3
,
北田 文則
3
,
木村 正
1
,
藤江 建朗
4
,
中村 英夫
5
1大阪大学大学院医学系研究科産科学婦人科学講座
2奈良県立医科大学産科学婦人科学講座
3吹田徳洲会病院産婦人科
4森ノ宮医療大学保健医療学部臨床工学科
5大阪電気通信大学医療福祉工学部健康スポーツ科学科
pp.281-288
発行日 2021年3月10日
Published Date 2021/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210262
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
▶要約
目的 : 子宮頸癌に対する広汎子宮全摘術が術者に与えるストレス・疲労を,術式別(ロボット支援下・腹腔鏡・開腹)に比較した.
方法 : 広汎子宮全摘出術の術中に,執刀医の心電図・筋電図を無線測定機器で持続モニタリングした.
結果 : ロボット支援下手術では,開腹手術や腹腔鏡手術に比して,脊柱起立筋の筋活動量が有意に軽微であった.ロボット支援下手術では心拍数が終始一定であったのに対し,開腹手術と腹腔鏡手術では心拍数は手術の進行とともに漸増し,ロボット支援下手術と比較して有意に高値となった.Tone-Entropy法による評価でも,ロボット支援下手術ではEntropyが終始一定であったのに対し,開腹手術と腹腔鏡手術では手術の進行とともにEntropyが低下し,ロボット支援下手術のストレスが少ないことを示す結果であった.
結論 : ロボット支援下広汎子宮全摘術は,開腹手術や腹腔鏡手術に比して執刀医へのストレス・疲労が少ない術式である可能性が示された.
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.