原著
傍大動脈リンパ節郭清術中の執刀医のストレス評価―ロボット支援下手術vs腹腔鏡手術
馬淵 誠士
1,2
,
前田 通秀
1
,
久 毅
1
,
松崎 慎也
1
,
角張 玲沙
1
,
北田 文則
3
,
前田 康治
4
,
中村 英夫
5
1大阪国際がんセンター婦人科
2兵庫医科大学産科婦人科学講座
3吹田徳洲会病院産婦人科
4広島工業大学生命学部生体医工学科
5大阪電気通信大学医療福祉工学部健康スポーツ科学科
pp.265-271
発行日 2025年3月10日
Published Date 2025/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698650790020265
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▶要旨
目的 : 傍大動脈リンパ節郭清術を含む子宮体がん根治術が執刀医に与えるストレスをロボット支援下手術と腹腔鏡手術で比較した.
方法 : 単一の執刀医が実施した傍大動脈リンパ節郭清を含む婦人科悪性腫瘍手術(ロボット支援6件・腹腔鏡6件)を研究フィールドとし,術中に執刀医の心臓電気活動を持続モニタリングした.心拍数およびRR間隔の変動をストレスの指標としTone-Entropy法で評価した.
結果 : 被験者の心臓自律神経活動は年齢相当であり,被験者として適格であった.ロボット手術では心拍数が終始一定であったのに対し,腹腔鏡手術では心拍数は手術の進行とともに漸増し有意に高値となった.Tone-Entropy法による評価でも,ロボット手術ではEntropyが終始一定であったのに対し,腹腔鏡手術では手術の進行とともにEntropyが低下し,ロボット手術のストレスが少ないことが示された.
結論 : ロボット支援下傍大動脈リンパ節郭清術は,腹腔鏡手術に比して執刀医へのストレスが少ない術式である.
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