今月の臨床 外来でみる子宮内膜症診療―患者特性に応じた管理・投薬のコツ
治療薬の使い方とコツ
LNG-IUSの役割と使用のコツ
太田 郁子
1
1倉敷平成病院婦人科
pp.555-559
発行日 2020年6月10日
Published Date 2020/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210077
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●子宮内膜症治療におけるLNG-IUSの位置づけは,子宮内膜症による疼痛および過多月経の軽減にある.局所療法であるため,チョコレート囊胞などに対する直接的な作用はなく,重度の子宮内膜症および子宮腺筋症症例には不向きであると思われる.また穿孔などのリスクがあるため,対象と挿入時期は十分に考慮しなくてはならない.
●LNG-IUSにより子宮内膜症の疼痛・過多月経の症状が軽減されていても,子宮内膜症は進行することがあり,他剤と同じく治療中は定期的な経過観察が必要である.
●特に子宮内膜症術後の疼痛再発減少に対する効果はOCに匹敵し,OCと比較しても患者満足度は高いため,子宮内膜症術後の疼痛再発減少を目的として使用するのが適していると考えられる.
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