連載 FOCUS
〔シリーズ〕産婦人科と先端テクノロジー
人工知能(AI)の生殖補助医療への応用―精子探索・選別支援システムの開発
湯村 寧
1
,
竹島 徹平
1
,
黒田 晋之介
1
,
山本 みずき
1
,
佐々木 勇人
2
,
濱上 知樹
2
1横浜市立大学市民総合医療センター生殖医療センター泌尿器科
2横浜国立大学大学院工学研究院
pp.505-510
発行日 2020年5月10日
Published Date 2020/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210067
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はじめに
人工知能(artificial intelligence : AI)とは通常「コンピュータが人間と同じような情報処理を行うシステム」と考えられているが,実際のところ厳密な定義はなく,人のもつ知的な情報処理をするソフトウェア全体のことを指し,情報を獲得し処理,そこから問題を自ら判断・解決していく能力をもつ.すでにさまざまな分野で応用されており,医療の分野でも近年のコンピュータ技術の進歩やビッグデータ処理技術の向上により,画像診断・病理診断の分野で人間よりもはるかに短時間に診断を下せるようになりつつある1, 2).われわれはAIを用いて生殖補助医療(assisted reproductive technology : ART)のなかで精子の探索・選別を行うためのシステム開発・研究を行っている.今回はこれまでの経緯と,現在進行中の研究について紹介する.
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