今月の臨床 ここが聞きたい―不妊・不育症診療ベストプラクティス
II 不妊の治療 D生殖補助医療(ART)
【顕微授精】
75.ICSIする際の精子の選別について詳しく教えてください.
蔵本 武志
1
,
江頭 昭義
1
1蔵本ウイメンズクリニック
pp.571-573
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102064
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[1]はじめに
近年,生殖補助医療(assisted reproductive technology:ART)を用いて妊娠出産にいたる患者数は急速に伸び,わが国の出生児の約56人に1人は体外受精児である.培養システムの向上にしたがい,高い着床率が報告される胚盤胞移植が導入され,多胎防止の観点から最近では単一胚盤胞移植(single blastocyst transfer:SBT)も積極的に行われている1).しかし,体外受精(in vitro fertilization:IVF)と比較して顕微授精(intracytoplasmic sperm injection:ICSI)では胚盤胞形成率が低いことも報告2)されており,ART技術が向上するにしたがい,直接卵子に精子を注入するICSIでは,よりDNAの損傷の少ない質の高い精子を選別する重要性が増した.ここでは良好な受精卵を得るために基本となるICSI時の精子選択方法について紹介する.
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