今月の臨床 徹底解説! 卵巣がんの最新治療―複雑化する治療を整理する
新規治療薬の作用機序と使いどころ《分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬》
VEGF阻害薬の作用機序と使いどころ
馬淵 誠士
1
,
山田 有紀
1
,
岩井 加奈
1
1奈良県立医科大学産科婦人科学教室
pp.325-333
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209937
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●抗VEGF-A中和抗体であるベバシズマブは,①血管新生の阻害,②既存の微小血管の退縮,③腫瘍血管の正常化を引き起こすため,単剤より抗がん剤との併用で強い効果を発揮する.
●ベバシズマブは,術後補助化学療法や再発がんに対する治療において無増悪生存期間を延長するだけでなく,腹水の産生抑制を通じてQOLの改善にも寄与しうる薬剤である.
●ベバシズマブを用いた術前化学療法やベバシズマブと他の分子標的治療薬の併用効果を検討する臨床試験,また効果を予見するバイオマーカーの開発を目指した研究が進行中である.
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