今月の臨床 妊婦の腫瘍性疾患の管理―見つけたらどう対応するか
良性疾患
妊婦の内膜症性囊胞の管理
池田 さやか
1
,
上田 豊
2
,
木村 正
2
1国際医療福祉大学三田病院女性腫瘍センター・婦人科
2大阪大学大学院医学系研究科産科学婦人科学
pp.432-435
発行日 2019年5月10日
Published Date 2019/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209719
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●妊娠に合併する卵巣子宮内膜症性囊胞の頻度は増加しており,最近では妊娠中に認められる卵巣囊胞のなかで最も頻度が高い.
●子宮内膜症性囊胞は妊娠中,脱落膜化変化・破裂・膿瘍形成・がん化などの多彩な変化を呈することがある.
●著明な脱落膜化変化をきたした場合はがん化との鑑別が難しいが,子宮内膜症性囊胞の妊娠中のがん化はきわめて稀であり,経過観察によって縮小することも期待できる.
●卵巣外の子宮内膜症性病変においては消化管穿孔や血管穿孔をきたした報告もあり,注意が必要である.
●囊胞の有無にかかわらず子宮内膜症合併妊娠においては,前置胎盤,早産などのリスクの上昇が示唆されていることから,これらのリスクに留意した経過観察が必要である.
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