今月の臨床 スペシャリストに聞く 産婦人科でのアレルギー対応法
アレルギーの病態とアナフィラキシー
成人に起こるアナフィラキシーとその治療
中村 陽一
1
1横浜市立みなと赤十字病院アレルギーセンター
pp.741-748
発行日 2018年8月10日
Published Date 2018/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209458
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●妊婦のアナフィラキシーの原因は周産期の新生児感染や帝王切開後の母体感染を予防するための抗菌薬が多く,その他,オキシトシン,筋弛緩薬,麻酔薬,ラテックス,殺菌薬などがある.
●妊婦のアナフィラキシー症状の特徴は,通常の皮膚・粘膜症状,呼吸器症状,消化器症状や循環器症状に加えて,外陰部と腟付近の瘙痒,下背部痛,子宮痙攣,胎児の異常,早産などである.
●妊婦の場合に特にアナフィラキシーとの鑑別が問題となる病態は,肺塞栓や肺水腫,心機能低下,虚血性心疾患や僧房弁狭窄症,低血圧症,脳血管障害,羊水塞栓症などである.
●妊娠中のアナフィラキシー予防対策は一般のそれと同様であるが,原因探索のための皮膚プリックテスト,チャレンジテスト,脱感作や免疫療法はその危険性から通常は実施されない.
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