今月の臨床 完全マスター! 妊娠高血圧症候群─PIHからHDPへ
妊娠高血圧症候群の予防と治療
降圧薬選択の問題点と展望
関 博之
1
1埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センター
pp.675-681
発行日 2018年7月10日
Published Date 2018/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209442
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●HDPの病態を考えると,降圧療法は介入時期としては遅いため,妊娠高血圧腎症や妊娠高血圧の重症例ではその効果は必ずしも十分とはいえず,長期間の妊娠期間の延長は困難な場合が多い.
●加重型妊娠高血圧腎症では,降圧療法により長期間の妊娠期間の延長が期待できる症例がある.
●血圧がSBP 170mmHg and/or DBP 110mmHgを超える重篤なHDPでは,母体の脳血管障害や子癇を回避するためには可及的速やかな降圧が必要となるが,胎児においては急激かつ過度な降圧は医原性の胎児胎盤循環不全を惹起する可能性があり,至適降圧レベルの幅は狭い.
●第一選択薬は,妊娠初期からの長期投与の経口薬の場合,メチルドパ,ラベタロール,ヒドララジンが,妊娠20週以降ではニフェジピンが推奨される.
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