今月の臨床 がん免疫療法の新展開─「知らない」ではすまない今のトレンド
がん能動免疫療法の将来展望
西村 泰治
1
1熊本大学大学院生命科学研究部免疫識別学分野
pp.592-599
発行日 2018年6月10日
Published Date 2018/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209424
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●がん細胞に固有のミスセンス変異遺伝子によりコードされるネオ抗原ペプチドに対するT細胞の免疫応答,ならびに腫瘍溶解性ウイルスが腫瘍免疫に果たす役割が注目されている.
●がん免疫療法の効果は遅延して発現することが多いが,一部の患者では長期間におよぶ奏効が認められる.患者のQOLは良好であるが,自己免疫疾患などの特有の有害事象に注意する必要がある.
●がん細胞,その微小環境ならびに免疫細胞における個体差を評価するバイオマーカーを確立して,個々の患者に最適の免疫療法を選ぶことが重要である.
●がんの個体間および個体内での多様性を考慮した,免疫療法を含む多様ながん治療法の複合(併用)療法の開発が期待され,多数の治験が進行中である.
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