症例
経腟分娩後の癒着胎盤にメトトレキサート療法を施行し子宮を温存しえた1例
斉藤 慶弘
1
,
小原 美幸
1
,
横井 由里子
1
,
塩沢 功
1
1松本市立病院産婦人科
pp.387-391
発行日 2017年4月10日
Published Date 2017/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208989
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▶要約
癒着胎盤は分娩時の多量性器出血の原因となる疾患で,事前の診断が困難な場合が多く,子宮摘出となる症例も少なくない.症例は手術歴や不妊治療歴のない未経妊の26歳.妊娠38週5日に正常経腟分娩となった.分娩時に約1/4ほどの胎盤が遺残し,超音波検査およびMRIにて陥入胎盤と診断した.その後も遺残胎盤の排出を認めず.子宮温存希望のため,産褥11日目にメトトレキサート(以下,MTX)を筋注で24mg/日×4日間投与した.産褥14日目に遺残胎盤の自然娩出を認めた.癒着胎盤に対して,性器出血と感染がコントロールされている場合,MTX療法はまず選択すべき治療である.
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