今月の臨床 ゲノム時代の婦人科がん診療を展望する─がんの個性に応じたpersonalizationへの道
【各論3】卵巣がん
3.low-grade漿液性腺癌の臨床病理・ゲノムと治療法
本原 剛志
1
,
坂口 勲
1
,
片渕 秀隆
1
1熊本大学大学院生命科学研究部産科婦人科学
pp.118-123
発行日 2015年1月10日
Published Date 2015/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208192
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●2004年にMD Andersonの研究グループは,卵巣漿液性腺癌をlow-gradeとhigh-gradeに分ける2段階の悪性度分類に基づく病理組織学的診断基準を提唱した.
●既存の抗がん剤に対して抵抗性を示すlow-grade漿液性腺癌では,MAPKシグナル経路の一連の活性化がみられており,これらのシグナル経路を標的としたMEK阻害薬の有効性が明らかにされた.
●卵巣がんに対する分子生物学的特性を基盤とした病態解明は,新規分子標的薬というツールを通じて,将来的な個別化治療へと展開されることが期待される.
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