グラフ 産婦人科とCT・10
腹腔内腫瘍の鑑別
町田 喜久雄
1
,
本田 憲業
1
Kikuo Machida
1
,
Norinari Honda
1
1埼玉医科大学総合医療センター放射線科学教室
pp.626-628
発行日 1987年10月10日
Published Date 1987/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208157
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画像診断的には単純X線写真,消化管透視,超音波,CT,排泄性腎盂造影が有用で,シンチグラム検査,血管造影も必要に応じて行う必要がある。
上腹部の腫瘤としては胃,肝,胆道,膵,脾,腎,結腸のものが多い。胃腫瘤としては胃癌,平滑筋肉腫,リンパ腫がある。肝腫瘤としては転移性および原発性肝癌が多いが,嚢胞,膿瘍,血管腫などの良性のものもある。胆嚢腫瘤は肝の下方に触れる。脾腫は左肋骨弓下に呼吸と連動して触れ,膵腫瘤は深部に可動性を欠く腫瘤として触れる。膵頭部癌は黄疸を合併する。慢性膵炎や膵?胞も腫瘤として触れることがある。腎腫瘤は呼吸と連動し,浮球感を伴って触れる。遊走腎,嚢胞腎,水腎症,腎癌,Wilms腫瘍などがある。その他に結腸癌,Crohn病,肉腫,後腹膜腫瘍や大網腫瘤がある。
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