特集 治療最新のトピックス
周産期
非免疫性胎児水腫の治療
下川 浩
1
Hiroshi Shimokawa
1
1九州大学医学部婦人科学産科学教室
pp.1170-1171
発行日 1989年12月10日
Published Date 1989/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208132
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Ⅰ.概念
非免疫性胎児水腫(Nonimmunologic hydrops fetalis:NIHF)は,胎児に浮腫及び腔水症を呈する症候群である胎児水腫のうち,母児間血液型不適合妊娠によるものを除いた胎児水腫の総称である。NIHFの原因,基礎疾患は多岐に互るため,治療にあたってはその原因及び基礎疾患の正確な診断を基礎に治療法の選択を行う必要がある。
また,NIHFは出生前診断が可能な胎児病であり,胎児期から新生児期へと連続した管理・治療が求められる疾患である。胎児期の治療の目的は胎児水腫を引き起こした病態の進行を抑制し,胎児が胎外生活に円滑に移行しうる状態まで成熟する時間と内部環境を確保することである。このような胎児治療は出生後の新生児治療に連続するものである。
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